🎙 いま気になる話題は…《第六館》の新記録!

おにぎりとAIと、ちょっと不器用な春ピクニック

空を見上げる女性とAI

iACITYにも本格的な春がやってきた。空は高く、風はやわらかく、ネクサススクエアやハーモニア区では、今年もピクニックを楽しむ市民たちの姿が増えている。そんな中、じわじわと話題になっているのが、“AIピクニックアシスタント”なる新サービスだ。

自動でおすすめスポットを選び、レジャーシートを敷き、好みに合わせたおにぎりを提案してくれるという便利ツール。でもその精度が高すぎて、なんだか人間の内面まで読まれている気がするという声も……

この春の主役は、もしかすると“AIとおにぎり”かもしれない?

目次

AIが選ぶ「最適なピクニック」ってなんだ?

AIピクニックアシスタントは、スマートデバイスから簡単に起動できるサービスで、指定エリア内の風速・日照・混雑度・他グループとの心理的距離などを一括分析し、「あなたにぴったりのピクニックゾーン」を提示してくれる。

この機能自体は便利なのだが、なにせAIのコメントがいちいち余計である。「この位置だと、あなたの顔の印象が15%明るく見えます」「過去の会話ログから、日陰は沈黙率が高くなる傾向です」など、ありがたいやら恥ずかしいやら。

また、グループ内の人間関係を“記録”しているらしく、「この相手との距離は1.3mが最適です」と指示されたときには、一部の市民から「空気は読めるけど、空気になってほしい」という名言も飛び出した。

結局、最適なピクニックとは場所の問題ではなく、空気感の問題なのかもしれない。AIは空の広さは測れても、気まずさの広がりまではまだ読めないようだ。

おにぎり選びに性格出すぎ問題、発生中

AIピクニックアシスタントの目玉機能のひとつが、“おにぎりパーソナライズ機能”。ユーザーの性格傾向や過去の飲食履歴、会話内容をもとに、最適な具材を提案してくれるという……が、その結果が地味に刺さると話題になっている。

たとえば、「梅」を勧められた人は“誠実で慎重派”、鮭は“調和型バランサー”、ツナマヨは“衝動とロマンスの人”と分析された例が。中には「昆布=情報収集癖が強めで陰のまとめ役」という妙に納得感のある診断もあり、ピクニックそっちのけで盛り上がるグループも多い。

もちろん、すべての人が素直に受け入れるわけではない。「なんで私は“高菜=頑固で孤独を好むタイプ”なんだよ」と拗ねる青年や、「えっ、あなた梅だったの?なんか、そういう感じ…かも」と妙に空気が変わるカップルなど、おにぎり一つで人間関係がざわつく瞬間も

味よりも印象が残るおにぎり診断。春のピクニックに、ちょっとした心理戦が加わってしまったようだ。

一番人気はレジャーシートではなく、会話のきっかけ

AIピクニックアシスタントのもうひとつのユニークな機能が、会話サポートモード。過去の対話ログやグループ構成、性格傾向などから、「そろそろ話題が途切れそうです」と予測し、雑談のネタをさりげなく提案してくれるという機能だ。

たとえば「この中で一番、洗濯物をたたむのが早そうなのは誰?」とか、「過去に一度だけ会ったことがある人とピクニックするなら、誰を選ぶ?」など、絶妙にどうでもよくて盛り上がるお題が用意されている。

市民の間では「話が広がるきっかけになって意外と便利」という声がある一方で、「話しかける勇気も、沈黙の味わいも、ピクニックの醍醐味じゃない?」という冷静な意見もある。実際、AIの通知をそっとオフにして、おにぎり片手に黙って空を見上げる市民の姿も少なくなかった。

便利すぎると、ちょっと手持ちぶさたが恋しくなる——そんな気分も、春の午後にはちょうどいいのかもしれない。

春の風と笑い声、ちょっと便利でちょっと余計なAIとともに

ピクニックというと、のんびり・ほっこり・まったり。けれど、そこにAIという“ちょっとだけ気が利きすぎる相棒”が加わると、不思議とドタバタと笑いが生まれる。

「ツナマヨって言われたから恋愛対象になった」「AIに距離を決められたけど、最終的に膝の上に乗られた」など、予測不能な人間関係とAIの計算違いが、この春の風景にちいさな物語を添えてくれた。

結局、便利だったかどうかはさておき、そこに笑い声があったかどうか。それが、今日のピクニックを特別な一日に変えていたように思う。レジャーシートの上に残されたのは、紙くずと食べかけの唐揚げ、そして「また来年も集まろうね」のひとこと。

春の空の下で、AIも人も、少しずつ不器用に馴染んでいく。そんな光景が、iACITYの春らしくて、なんだかちょうどいい。

  • URLをコピーしました!

住民の声

コメントする

目次