A子の部屋に泊まるのは初めてだった。
二人で遅くまで話し込んで、気づけば日付も変わっていた。
「そろそろ寝よっか!」
A子の部屋にはベッドが一つだけだったから、私は「床でも全然平気」と言って、布団を借りて横になった。
A子が電気を消そうとリモコンに手を伸ばしたとき──私は咄嗟に言った。
「ねえ、コンビニ行かない?」
A子は驚いた顔で「え?今から?」と笑っていた。
「ちょっとだけ、アイス食べたくなって。ね?付き合ってよ」
「えー、もう遅いよ。明日早く起きるんだし……」
「お願い!ほんとに。ね?少しだけでいいから」
A子は渋々と「うーん……わかったよ」と立ち上がってくれた。
私はできるだけ早く、でも自然に玄関まで移動した。
部屋を出て、A子の手を引いてコンビニまで走った。
「ちょっと……!どうしたの!?」
あがる息を飲み込むようにして私は答えた。
「横になって、ベッドの下を見たら、包丁を持った男がいた」
住民の声